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2009夏季観測・研究がスタート
過去最大規模の観測体制になる見込み
報道関係各位
2009年6月29日
NPO法人富士山測候所を活用する会
今年度は富士山測候所における夏季観測・研究は、気象庁からの第1期3年契約の最終年にあたる。共同研究、委託研究のほか、海外からの参加を含め、公募審査により選ばれた22件のテーマで観測・研究を実施するが、利用希望者は増加の一途をたどっており、過去最大規模の観測体制になる見込みである。
観測・研究の規模と内容
今年の観測・研究は、共同研究、委託研究のほか公募で申請・審査を経て選定したグループを含め22テーマ、延べ参加人員は昨年の2倍の527人・日となり、観測・研究体制は過去最大規模となる。
研究内容は、大気化学、放射線科学、永久凍土、高所医学、高所トレーニングなど、従来からの継続案件のほかに、越境酸性雨と生態系の研究、自然エネルギー研究、低酸素環境における口腔内装置の研究、科学教育分野への適用など、新たな研究テーマが加わった。
- 大気化学関連では、JAMSTEC(海洋研究開発機構)との共同研究、国立環境研究所および新技術振興渡辺記念会の委託研究に加え、今年6月に年賀寄附金助成「日本の自然環境保全のための富士山を利用した越境酸性雨観測事業」の採択が決まり、その研究が始まる。これらの中で、NOxフリーのクリーンエネルギー発電の研究、国際ネットワーク観測などが加わっている。フランスの雪氷・環境地球物理研究所パオロ・ラジ博士と金沢大のグループが今年は富士山では初めて観測を行い、昨年度の台湾国立中央大学のグループと併せて東アジア越境汚染監視ネットワーク構築を模索する。なお、国立環境研究所が大量(100個)のバッテリーを山頂に据付けCO2の通年観測に挑戦する。
- 高所医学関係では、従来の研究のほか、新たに低酸素環境下における睡眠時の口腔内装置の有効性の検証、高所登山とストレスなどの研究が加わった。
- 通信分野の研究では、昨年は十分に実施することができなかった安全登山に寄与する通信の研究、マイクロ波・ミリ波通信の気象変化への影響調査なども今年は実現する。
- 教育関連では、従来までの青少年自然教育以外に、科学教育への適用として学生も参加して、富士山頂で様々なユニークな科学研究を行うのも特徴である。なお、例年実施している富士山測候所見学会・科学講座は今夏も4回実施する。
インフラ設備
昨年損壊した送電線等のインフラ設備は5月に現地点検した結果、幸い異常はなかったものの、今年の山頂は例年にない積雪量となっており、現在(6月末時点)もブルドーザーが途中までしか上がれない状況にある。山頂の電気点検等のスケジュールは7月上旬に食い込むことが必至であり、実質的な観測・研究のスケジュールは遅れる見込みである。
支援体制
現場の体制は、山頂の運営管理にあたる山頂班(登山経験者常駐3名)と御殿場において物資の補給、荷上げ・登下山の確認、総合調整などにあたる御殿場基地班(常駐1名)を置き、富士山測候所所長の指揮の下、東京の事務局と緊密な連携をとり研究者等の支援にあたる。また、安全対策としては、初参加グループに対して安全説明会を実施したほか、「富士山安全マニュアル」を整備、参加者全員に配布し徹底をはかる。
資金問題
従来からの継続案件である@JAMSTECとの共同研究、A国立環境研からの業務委託、B新技術振興渡辺記念会からの委託研究のほか、今年度は新たにC郵便事業会社からの年賀寄附金助成事業が採択された。しかしながら、資金面では会費収入とあわせてもまだ十分とは言えず、資金確保は当NPO法人にとっては最大の課題である状況に変わりはない。
報道・その他
夏季観測期間中の報道取材については、山頂での混乱を避けるため事務局で一元的に受付け、「取材申込書」をHPからダウンロードするようにした。夏季観測期間中はHPをフルに活用し、随時山頂の活動状況等の最新情報を発信する計画である。なお、今夏の観測・研究の結果については、例年どおり、平成22年1月(予定)に成果発表会を開催する予定である。
■NPO法人富士山測候所を活用する会 概要
代表者:
理事長 浅野 勝己
設立年月日:
2005年11月27日
事務局所在地:
東京都千代田区麹町1-6-9 DIK麹町ビル901
会員数:
200名
■本件に関するお問い合わせ先
事務局:
TEL:03-3265-8287 FAX:03-3265-8297
E-mail:npofuji3776@yahoo.co.jp
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