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大河内博理事が『For the Better Forum 2014』で発表します。
各位
2014年11月12日
NPO法人富士山測候所を活用する会
11月12日(水)虎ノ門ヒルズで開催されたパーキンエルマージャパン主催『For the Better Forum 2014』で大河内博理事(早稲田大学創造理工学部教授)がセミナー講師として「世界遺産.富士山頂で地球大気環境を調べる−揮発性有機化合物と粒子状多環芳香族炭化水素を中心に−」と題して発表します。
日時:11月12日(水)14:00 〜 14:45
会場:虎ノ門ヒルズ(東京都港区)
題目:世界遺産.富士山頂で地球大気環境を調べる−揮発性有機化合物と粒子状多環芳香族炭化水素を中心に−
講師:大河内博理事(早稲田大学創造理工学部教授)
富士山は2013年7月にユネスコの世界文化遺産に登録された。富士山頂の最高峰である剣が峰(3776 m)には旧富士山測候所(現、富士山特別地域気象観測所)がある。つい先頃までNHKで「芙蓉の人:富士山頂の妻」が放映されていたが、富士山頂は極地であり、過酷な世界である。
これまで旧富士山測候所では気象観測だけではなく、二酸化炭素、オゾン、二酸化硫黄、雲水など様々な大気化学観測が行われてきた。富士山は独立峰であり、その裾野の広がりに対して高度が高く、山頂は清浄な自由対流圏高度にある。海抜3000 mを越え、地球大気環境を調べることができる高所大気化学観測ステーションは世界的にみても限られており、旧富士山測候所は重要な大気化学観測拠点である。
近年、東アジア諸国の経済発展は目覚ましく、東アジアから排出される汚染物質が地球大気環境に及ぼす影響が懸念されている。2013年冬季の北京におけるPM2.5高濃度問題は記憶に新しい。日本は近隣のアジア諸国ばかりではなく、偏西風によって欧州から広域輸送される大気汚染物質の影響を受ける。逆に、日本から排出される大気汚染物質も太平洋を越えて米国,欧州に輸送される。富士山は地理的に日本列島の中央部に位置しており、大陸からの汚染大気が太平洋へ流出する出口にあり、太平洋からの清浄大気が大陸に流入する入口にあたる。
このように、地球規模の大気質の変化をいち早く検知し、将来の地球大気環境変化を予測するためには、排出源の直接的な受けない高所や離島での観測が重要であり、富士山頂で大気化学観測を行う意義はそこにある。
本講演では、富士山頂での大気化学観測の歴史をひもとき、大気化学観測拠点としての富士山の利点を述べ、我々が取り組んでいる大気化学観測のうち、ガス状汚染物質として揮発性有機化合物、粒子状汚染物質として多環芳香族炭化水素、大気水相としての雲水に有機汚染物質がどのように取り込まれるのかを紹介する。自由対流圏における有機汚染物質の気相―固相-液相の観測は世界的にも例がなく、このような観測研究にはGCMS、LCなどの分析機器はかかせないツールである。富士山頂では地上とは比べものにならないくらいの苦労があり、また、それに見合う新しい発見がある。その一端をご紹介したい。
For the Better Forum 2014
■本件に関するお問い合わせ先
事務局:
TEL:03-3265-8287 FAX:03-3265-8297
E-mail:npofuji3776@yahoo.co.jp
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