富士山測候所を活用する会
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提言 減災 -静岡新聞-

disaster reduction
静岡新聞「防災・減災」に掲載された内容を紹介しています。
鴨川 仁 静岡県立大学特任准教授
かもがわ まさし
東京学芸大学准教授を経て、2019年4月より現職。専門は地球電磁気学、大気電気学、物理教育。認定法人「富士山測候所を活用する会」事務局長も務める。
2023.05.14 「富士山頂の活用継続を」
 富士山における防災や科学というと火山噴火の監視が最初に思い浮かぶであろう。しかし、日本最高峰のみならず孤立峰であるその特徴的な形状から、現在のような技術発展がなされるはるか前から富士山は科学利用されてきた。古くは江戸時代までさかのぼり、初めて実測による日本地図を完成させた伊能忠敬は、測量で富士山を利用していた。
 幕末には、国内外の人々が富士山から気象観測を行っていた。高所での気象観測は気象予報の精度を向上させる。1895年には野中到夫妻が高所での世界初の山頂越冬気象観測を試みたが、高山病などのため約3カ月で下山せざるを得なかった。その後、中央気象台(現・気象庁)の職員などで越冬観測を試み、1936年には富士山に常設の気象観測所、のちの富士山測候所が設立されることとなった。
 測候所設立後は富士山の科学利用が進み、64年には山頂に大型気象レーダーが設置された。設置前の59年の伊勢湾台風までは、台風により数千人規模の死者を記録していたが、設置後は激減した。このように、富士山の科学利用には意義があったが、現在では技術革新により気象衛星や地上レーダーがその役目を担うようになり、富士山測候所にはレーダーも常駐職員も不要となったため2004年に閉鎖された。それ以降は限定的な無人気象観測しかなされていない。
 もはや富士山山頂という極地で科学計測する必要性はないのであろうか。実際には、そうではなく環境問題など時代とともに新たな用途が生まれてきている。気候変動が起こす災害などはいま最も注視すべき環境問題の―つであるが、筆者も関わる「富士山測候所を活用する会」が旧測候所を使い、湿暖化ガス移流の理解や大気中マイクロプラスチックの高所での発見、湿暖化を抑制するエアロゾルの経年減少の発見など、わずか15年で環境問題対策や減災に結びつく成果を出し始めている。
 しかしながら、この新しい富士山頂の利用は、研究者の手弁当で組織運営が行われており、行政の力なしでは今後の維持は難しい状況にある。過去の事例を見ても富士山を活かすことはわれわれを生かすに直結しており、富士山頂の活用の継続について市民、行政もいま一度考えてみてほしい。
2022.07.24 「研究充実へ県予算増を」
 減災の効果を高めるには科学技術の発展が必要であることは言うまでもない。そして、その発展には人材確保と並んで研究費が極めて重要であろう。研究費について言えば、日本における最大の科学研究助成金は文部科学省による科学研究費(科研費)である。
 原則、1人の研究者は1回の申請のみが許されており、複数申請により特定の研究者へ資金を一極集中させない仕組みとなっている。また、申請で提案する研究は数年間継続して行うものが多く、助成額は年間数百万円から数億円と研究規模によって申請カテゴリーが分かれている。対象分野も詳細かつ多岐にわたり、科研費の審査・支給に関しては可能な限り公平性が保たれている。
 この公平性を含めた助成金制度の改善は関係各所の日々の努力によって行われ、助成金取得を目指す研究者ならば、年々改善される助成金の使いやすさなどを実感しているはずである。しかしながら、改善がみられる科研費であっても誰でも応募しやすく、どのような研究にも使いやすい助成金とは言い切れない。例えば、静岡の自然災害に特化した研究、減災の実用面に特化した研究となると科学の普遍性が問われる科研費の求める範疇とはややずれるため、採択されるのは困難と考えられる。
 そこで静岡では、科研費の枠組みとは異なる静岡ならではの研究に対する公的な助成が行われている。県から支援を受ける公益社団法人ふじのくに地域・大学コンソーシアムの共同研究事業は、県内の大学間で行う共同研究のための助成金である。筆者も取得させてもらったことがあり、静岡に特化した研究に集中できる点で研究を発展させるのに効果的な助成金であると強く実感した。
 同コンソーシアムのホームページによると、本年度の共同研究助成の採択数は昨年度と比べて6件から2件に減となった。おそらく、県からの予算が減るなどの諸事情があったのだろう。ただ、減災を実現するには研究が欠かせないことは間違いなく、むしろ他県でもまれなこのような研究助成を増強することで、静岡に適した減災にも結びつく研究が数多く生まれると考える。
2022.02.13 「地域性考慮し災害研究」
 自然災害は、地域によって重視する現象が異なる。静岡県では地震、津波、火山の三つは他県よりとりわけ重視している自然災害といえよう。南海トラフでの大地震および津波、1707年宝永地震後の宝永大噴火の経験から大地震に誘発されると思われる富士山噴火の可能性など、これら三つがほぼ同時に起こることさえ考えられる。
 ここで地震という現象を例に挙げるならば、地震は物理現象であり、研究者は物理法則に基づき現象の解明を行う。そして得られた物理的知見は、地域を問わず人類の共通財産となる。しかし、この知見を有効な防災に生かすには、静岡県のような海洋に面した地域ならば、津波の発生も同時に検討するなど、地域性も考慮する必要がでてくる。そのことから、減災・防災に新たな知見を取り込むならば地域性を加味し、前述の事例のように複合的に考慮すべきなのは言うまでもない。
 そして、その考慮のためにまず重要なのは、専門家を県として有することだ。本県でも、大学や研究機関で専門家を多数有しているが、複合的な考慮へ向けた研究環境は十分とは言えなかったと思われる。
 近年の経済活動の停滞のみならず、コロナ禍によって県の予算は潤沢とはいえない財政事情であり、多数の専門家を一同に集めるような研究環境を設けるメリットは大きいが、新たな専門研究機関の設立は現実的ではない。そこで県立大では、この状況を打開するために、新年度よりグローバル地域センター地震予知部門を自然災害部門に改組し、県内・近隣県の専門家を客員教員として多数招聘することで、複合的な視野に立つ静岡県のための自然災害研究環境を整える。
 この新組織では、客員教員を招聘するだけでなく、県内ないしは静岡県に関わるあらゆる自然災害の研究者の潤滑油となるような環境をつくり、地域性を加味しつつ複合的な視野での防災に対応できるようにする。また、県民の防災知識を常にアップデートできるようなシンポジウム等を定期的に開催できるようにしたいと考える。
2021.10.24 「災害予測まず人材育成」
 日本出身の真鍋淑郎氏が、クラウス・ハッセルマン氏、ジョルジョ・パリージ氏とともに2021 年ノーベル物理学糞を受賞した。
真鍋氏が現在米国籍であることから、”頭脳流出“を嘆く意見もあるだろうが、博士課程までの高等教育を日本で受けていたのであるから、日本人として素直に喜んでよいのではないか。この3人の受賞は複雑な物理系の理解に対する画期的な貢献に対してのものであり、その中でも真鍋氏とハッセルマン氏は、コンピューターによる地球湿暖化のシミュレーションの功績が広く知られている。
 ニュートンらによって大きく進んだ近代科学は「すべての現象は数少ない基本法則によって説明できる」とするものである。さらに、科学者でなくても聞いたことがある人が多いであろう相対性原理や量子力学などが導入されたことによって、20世紀前半には古典的な法則だけでは説明できない現象も説明可能になってきた。
 一方、気象学の世界では、第2次世界大戦後に物理法則に星づく簡便な方程式の組み合わせによる予測の試みが始まっている。1960年代に気象学者エドワード・ローレンツ氏は、計算の最初に与える条件をほんのわずか変えただけで結果が全く違ってくるため、実用的な気象予測はできないことに気づき、「複雑系の科学」という分野が生み出された。複雑系での予測は難しいとされる中、その突破口の―つをもたらしたのが今回の受賞と言えよう。真鍋氏とハッセルマン氏は、地球という複雑な物理系において、地球温暖化予測につながる基礎を構築した。
 長い目でみれば人間は少しずつ難題に取り組み、解決ができたものもある。しかしながら、解決にまだまだ手が届かない複雑系 の事象もたくさんある。地震土砂崩れなどの突発的現象の予測もその―つであり、本県はこのような突発的現象による災害の脅威にさらされる地であるといえる。
 この難題に挑むために必要なことは、第一に人材育成であろう。日本は経済状況の停滞と少子高齢化の苦境にある一方、今年のオリンピック・パラリンピックやショパン国際ピアノコンクールなどで若い日本人が活躍している。
 自然科学の分野で日本は博士号取得者や科学論文の数がともに減少しているが、この苦境下でも世界を圧倒できる研究者を輩出できるだろうか。世界トップレベルの人材を本県から育成する方法について、行政だけでなく市民も、そしてもちろんわれわれ大学人も、模索していく必要がある。
2021.05.09 「雹や竜巻 気象情報注意」
 今年4月から5月にかけて、全国的に降雹、竜巻、激しい落雷活動が発生したという報道が多数あった。静岡県においても5月1日に牧之原市で竜巻と見られる突風が発生し、大きな被害があったことは記憶に新しい。
 同種の被害は2019年8月に三島でも発生している。また同年11月には浜松の一部で降雹が発生し、農産物の被害が生じた。最近ではとりわけこのような日頃見られない極端に高い気温、豪雨などの現象を極端気象と呼ぶようになっている。降雹、竜巻なども極端気象のひとつである。
 降雹、竜巻、激しい落雷が発生する時は報道において「大気の状態が不安定」というフレーズがよく聞かれる。大気の状態が不安定となるのは、太陽の日射による地面が暖められることと、上空に寒気がなだれ込むことで、地上と上空に大きな気温差が生まれ、大気に対流が発生するためだ。
 おわんに入れた温かいみそ汁でもおわんの上部の液体表面が周りの空気で冷やされるため同種の対流が液体内で起こる。大気の対流では、雲内部にある雲粒も対流をもたらし、その雲粒がさらに周りの水蒸気を取り込むことによって雲粒は固体の状態で大きく成長する。対流が激しければ、雲粒は大きく成長し霰になり、さらに大きくなれば雹となる。
 これらの対流は、内部のこれら粒子の摩擦帯電を促し、雲内部に大量の電気が蓄積される。この電気が落雷の源となる。このような雲は積乱雲と呼ばれ、特に活発な対流が生じると、降雹、竜巻、激しい落雷などに至る。
 気象庁では、大気の不安定な状態はおおむね予想ができるので、警報・注意報を通してわれわれは状況を知ることができる。しかし、ピンポイントで降雹、竜巻等の発生場所や時刻などを高い確度を持って予測することはまだ難しい。降雹をレーダーなどの科学計測で検知するのもようやく方向性が見えてきた段階であり、積乱雲のもたらす極端気象の確度の高い予想までは年月を要する。それゆえに現在は、各種警報・注意報の情報により注意するようにして頂きたい。
2020.12.27 「駿河湾に海底観測網を」
 東日本大霙災後に海底へ配備された房総沖から十勝沖までにわたる日本海溝海底地震津波観測網(S-net)は、早期津波予測にいわずとも効果がある。津波を沖合にていち早く検知できれば、有効な避難時間が得られるからだ。今後は、東日本大震災のような津波被害が同地において少なくなるに違いない。
 海底での観測網が早期の津波検知に効果的であっても、データ転送や電源供給のために海底ヘケーブルをひき、海底に計測器を設置するのは高い技術力とかなりのコストを要する。しかし、効果が高いがゆえに配備への大きな投資は意義がある。そのような背景から昨年より、南海トラフ想定震源域西側へのN-netといわれる観測網整備が始まった。ここは、近い将来の大地震が予想されているが、海底での観測がなされてなかった地域である。かねて南海トラフの東側および東南海域では、海洋研究開発機構がDONET、気象庁も御前崎沖に観測網を整備していた。
 その結果、南海、東南海、東海地域という大地震が予期されている場所で、唯一海底の観測網がないのが駿河湾である。東海地域で地震が発生した場合、沿岸への津波到来時間が非常に短いと予想されているので、観測網配備が極めて有効な避難時間をもたらす。もちろん、地震活動の理解においても地上観測だけの地震検知に比べて圧倒的な数の微小地雲を検知できるようになる。
 微小地震の解析で、プレート境界の応力の状態などを推察できるので大地震の中期・長期予測へつながると見られる。さらには桜えび等の漁業環境の保全監視にも併用できるはずだ。気になるのは配備コストだ。駿河湾だけならば、南海・東南海地域に比べてわずかな範囲ですむことから、従来の海底ケーブルによる地震・津波観測の設置コストの1桁下の予算、概算でいうならば10億円程度で可能となろう。以上より東海地域における海底観測網の配備は費用対効果が高く、低コストでできる。
 県をあげて必要性を国にも訴え、場合によっては県の自力で配備を進めていくべきだろう。
2020.08.09 「地下水起因の地震 警戒」
 大地震は海域のプレート境界型、内陸の活断層どちらでも発生する。その発生間隔は大ざっぱにいえばプレート境界型では100年はど、内陸型では千年ほどとされる。この間隔の違いは、地殻に蓄積される応力の時間当たりの量が異なることに起因している。
 プレート境界型は書物に記され、広域にわたる津波堆積物の痕跡などの記録も充実している。そのことから南海から東海地域までの間で幾度となく繰り返された大地震の情報は、684年の白鳳地震以降であるとかなり分かる。一方、内の大地震については、長い発生間隔が故に地表に堆積物がかぶさり、津波もないことから痕跡に気付きにくい。従ってプレート境界型に比べて知識が十分ではないところがある。
 県内は中央構造線と糸魚川静岡構造線という世界的に知られる巨大断層を有している。その二つが接近し、交差する目前の場所が南アルプス周辺であり、リニア中央新幹線のトンネル建設予定だ。現場となる赤石山脈では隆起が年間約4ミリと地殻活動がかなり活発な場所である。過去の大地震の発生履歴は内陸だけに不明燎ではあるが、近隣も含め地震発生の条件は整っているとみられる。ここにトンネル工事となれば、掘削時に発生する地下水の影響で誘発地震が発生してもおかしくはない。
 県内で地下水の変位に伴う誘発地震と言えば、未解明のままとなっているが、JR東海道線の丹那トンネル建設期間中に起きた1930年の北伊豆地震がその可能性を指摘されている。誘発地震は学問的に近年、広く認知されるようになった段階であり、科学的理解については発展途上の段階である。トンネル工事などによる人為的な誘発地震を避けるためには、北伊豆地震のような過去の地震についても最新の研究技術で再調査をし、知見を増やすべきである。
2020.03.22 「教育にこそ減災効果」
 東日本大震災からわすか9年の間でも、日本列島への自然災害は幾度も発生している。災害の予想から発生、発生後の対応を巡り、自分の身を守るためには行政任せで良いのだろうか。
 当然ながら、大規模な防災対策、正確な科学データ収集とそのインノラ保持、災害に対応する利学的判断とその人材確保など、行政でなければできないことは多々ある。しかし、身を守る基本は己の判断である。行政による警報が出ても、自らの判断による行動がなければ効果がない。予測に限界がある自然災害警報についても、警報以上の被害が予想されときに避難行動を自主的に行うか否かは、己に帰す。
 東日本人震災の津波被害を例にとれば、自分がかってないほどの大きな揺れを体感した時、気象庁の津波警報をどう捉えるか。警報の予想津波高が近くの防潮堤の高さ未満であリ、かつ1960年チリ地震による津波被害をその防潮堤で防いだ実績があれは、果たして避難するだろうか。
 地震の縦揺れと横揺れの時間差や揺れの周期などで、震源までの遠近は想像できる。揺れの程度も自己体験から規模を概算し、未曽有の地震で大津波を伴うかもしれないと想像することもできる。津波予測が発展途上段階で限界があると知っていれば、この想像と警報の不適合があったとしても合点がいき、避難を選択するだろう。
 これらの判断力は、学校教育と生涯にわたって更新する知識に大きく依存する。ただ、大学人試に不利とされるなどの理由で高校での地学教育は風前のともしびである。地学の礎となる高校物理まで、履修者がかつての8割から2割まで落ち込んだ。
 しかし、筆者がスーパーサイエンスハイスクール事業で関わる千葉県の私立高は、進学校であるが新たに地学専攻教員を2人採用した。文系生徒は地学必修、理系生徒は他科目で地学の内容を学び、おのずと知識を得やすい環境を作り出した。
 このような事例を参考に、生きる力に大きくつながる教科を、受験等のニーズとも共栄しながら教育に取り戻す道を模索すべきだ。
2019.11.10 「災害時通信の多様性を」
 東日本大震災時で大きな揺れがあった地域で、携帯電話による通話は地震直後から通じなくなったが、メールやチャットなどのインターネット通信ならばやりとりができたという記憶をお持ちの方もいるであろう。インターネットはデータを「パケッ上という小さなサイズに分けて通信することと通信経路の冗長性で、災害に強いネットワークになっているからだ。いまや災害時の情報伝達手段は一方向のテレビから、双方向が可能なスマートフォンに主軸か移りつつある。
 しかし、1強になりつつあるこのインフラも、プラックアウトなど電気の供給がなく、被害領域が広域ともなれば携帯電話回線の基地局とのやリとりすらできなくなる。2018年の北海道胆振東部地震や19年の台風15号被災では、その脆弱性をまざまざと見せつけられた。さらに携帯電話の電波が届きにくい山間部では、災害時にますます無力となる。スマートフォンは衛星によって位置情報も提供できるが、山岳遭難者がなかなか皆無にならないのは、基地局の通信可能距離がせいせい数キロ程度であるからだ。
 一方、1世紀近くにわたって今なお、災害情報の提供で圧倒的な強みがあるAMラジオだが、先日の総務省有識者会議の報告によれば、放送局の経営難から停波もやむなしとなった。災害情報ツールが狭まる傾向は、防災グッズを準備する側からは不安を覚えるに違いない。
 しかし近年、「LPWA」と呼ばれる低データ通信量ではあるが超低消費電力・超長距離通信が可能な技術が産業化してきた。大手電機メーカーでは9月下旬より、従来の技術を飛躍的に向上させて商用サービスを開始した。これは携帯電話の弱点を補完できるだけでなく、科学観測でもデータ伝送を容易にさせることから、自然災害予測精度・減災の向上が見込まれる。
 AMラジオが災害に対して有用でも、時代の変化とともに整理は避けられない。そのために新技術を早い段階から注視し、防災の観点からも早期に利用して機能に慣れておくことが肝要だ。
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